組織移植について

脳死とは

「脳死」という言葉を知っていますか?

 

「脳死」という言葉を聞いたことのある人は沢山いるかもしれません。

では、脳死とは何でしょう?脳死と植物状態はどう違うのでしょう?

 

下の図を御覧下さい。

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人の脳を横から見た図です。

 赤く塗られているところが死んでしまった脳、黄色く塗られているところが生きている脳です。
人の脳は大きく分けて3つに分類することができます。

①大脳:物を考えたり、学習したり、感情をつかさどります。また、物を見たり聞いたり、声を出したりするのも大脳の役割です。
②小脳:身体の平衡感覚(バランス)をつかさどります。
③脳幹:人が生きるために最も大切な役割をつかさどっています。呼吸、心臓運動、嚥下(物を飲み込む)などの重要な機能が、脳幹で支配されています。

 図を見ていただくとわかるように、植物状態(右図)では、大脳と小脳は死んでいますが、脳幹は生きています。ですから、植物状態の人は、自分で話したり起きたりすることはできませんが、心臓は動いているし、呼吸も自分でできることが多いのです。ですから、眠ったように見えるのです。治る可能性もあります。

対して、脳死の状態(左図)では、大脳と小脳だけでなく、脳幹も死んでしまっています。全ての働きがなくなってしまったの で、現代の医学では二度と元には戻りません。更に、自分で呼吸ができないので、人工呼吸器をつけないと呼吸ができません。呼吸ができないと、心臓も止まってしまい、心停止になります。
人工呼吸器をつけていれば、心臓は動くことができますが、長い間この状態は保つことはできません。

 

 

脳死は人の死でしょうか?

 現在、日本では多くの人の間で、心停止が人の死であるという認識が強いと思います。心臓の鼓動が聞こえなくなり、身体も冷たくなった、つまり心停止の状態が死であると考えるということです。

 では、脳死はどうでしょう。
 脳死は、脳の機能は全て失われていますが、人工呼吸器をつけていれば心臓は動くことができるので、身体は温かく、髪は伸び、爪ものびます。機械につながれているとはいえ、見た目は寝ているように見えます。しかし、元に戻ることはありませんし、機械をはずせばやがて心停止を迎えます。

 臓器移植は、脳死は人の死であるという考えの下に行われています。
心停止の人の臓器は、摘出した時に臓器の循環が不安定かあるいは停止しているため、臓器活性度が落ち、当然移植後の機能の回復不全につながってしまうため、移植に使うことはできません。そこで、もう一段階前の状態、つまり脳死の状態で臓器を摘出することができれば、その臓器は移植に使うことができるのです。そしてその臓器は、多くの人の命を助けます。

 

脳死は人の死か否か、その答えはひとつではありません。

 しかし、ひとつ確かに言えることは、組織移植も臓器移植も、提供したご本人、及びそのご家族の尊い意思の上になりたっており、治療法がなく絶望的と言われた患者様の多くの命を救っているという事です。

 

あなたは、組織及び臓器を提供したいと思いますか?